名古屋の社内システム開発|「使われないシステム」にしないために、最初にいくらかけるべきか

名古屋の社内システム開発|「使われないシステム」にしないために、最初にいくらかけるべきか

先日、名古屋市内の会社から相談を受けました。「以前、業者に依頼して社内システムを作ってもらったが、今は誰も使っていない」という内容でした。話を詳しく聞くと、システム自体の機能には特に問題がありません。むしろ、必要な機能はほぼ揃っていました。それでも使われなくなった。「機能はあるのに現場が触らない」というこの相談パターンは、私が社内システムの相談を受けるたびに繰り返し出てくるものです。

「機能が足りないから使われない」と思われがちですが、現場を見てきた実感としては、原因の多くは別のところにあります。今日はその話を、私自身が実際にやりすぎて反省した経験と、費用の考え方も合わせてお伝えします。

Team of developers working together on computers in a modern tech office.
Photo by cottonbro studio on Pexels
目次

作ったシステムが使われなくなる、よくある流れ

最初から機能を詰め込みすぎたシステムほど、使われなくなりやすいというのが、私がこれまでの相談の中で共通して感じてきたことです。

最初の打ち合わせで「せっかく作るなら、あれもこれも入れておきたい」という要望が出ること自体は自然です。誰でもそう思います。ただ、機能が増えるほど画面は複雑になり、覚えることが増え、結果として「前のExcelの方が早かった」という声が現場から上がってきます。実際に使うのは経営者ではなく、日々の入力をする現場の社員です。ここにズレがあると、どれだけ立派なシステムでも棚上げされてしまいます。

Excelに戻ってしまう、というのが一番わかりやすいサイン

「システムを開くのが面倒だから、結局Excelで管理を続けている」という状態は、性能の問題ではなく、日常の動線に馴染んでいないことが原因です。もし今、社内で使われなくなったシステムがあるなら、「開くまでに何クリックかかるか」「入力欄はいくつあるか」を数えてみてください。それだけで、使われなくなった理由の見当がつくことがあります。

Group of developers working together on a computer programming project indoors.
Photo by cottonbro studio on Pexels

実は私自身、同じ失敗をしています

偉そうに書いていますが、この失敗は他人事ではありません。独立してすぐの頃、自分の請求管理を楽にしようとツールを自作したことがあります。最初は「金額と発行日が入っていれば十分」というシンプルなものを考えていたのに、作っている途中で「ついでにこの項目も」「これも記録しておいた方が後で便利」と欲が出て、入力欄をどんどん増やしてしまいました。

結果、完成した頃には自分でも入力するのが面倒なツールになっていました。毎月の請求のたびに「今日は時間がないから後でまとめて入力しよう」と後回しにし、気づけば数ヶ月分のデータが溜まって手作業で整理し直す、という本末転倒な状態になったのです。作っている本人がこれでは、クライアントに納品したシステムが同じ運命をたどるのも当然だと、今振り返ると思います。

この経験があってから、私は自分用のツールでもお客様向けのシステムでも、「まず一番よく使う一つの作業だけを形にする」というやり方に変えました。

Male programmers working on computers in a modern office setting, showcasing teamwork and technology.
Photo by cottonbro studio on Pexels

なぜこのミスが起きるのか

これは発注側だけの問題ではなく、作る側にも責任があります。「要望を全部叶える」ことを良いことだと考える作り方をすると、必然的に機能過多になります。お客様が言った通りに作ることは簡単ですが、それが本当に現場で使われるかどうかは別の話です。私は、お客様にとって不要なものは、たとえ開発費用が増えて自分の売上になるとしても勧めません。これは社内システムでもホームページでも同じ考え方です。

「アプリを作りたい」というご相談で、よく話を聞くとWebで十分なケースに出会うことがあります。アプリ化にはAppleの審査対応や初期費用の負担があり、目的に対して過剰な投資になることが多いのです。社内システムも同じで、「大きく作る」ことが目的化してしまうと、現場から浮いてしまいます。

小さく作って、自分で使ってみるという進め方

先ほどの失敗以降、私は自分用のツールを開発する際、必ず同じ順番を踏むようにしています。まず自分が「これがあったら楽だ」と思う最小限のものを作り、自分で実際に使ってみて、使いにくい部分を直し、それから需要がありそうならお客様にも提供する、という流れです。note自動投稿ツールや売上自動報告bot、AIOチェッカー(AI検索での自社サイトの表示状況を確認するために作ったツール)といったものは、すべてこの順番で生まれています。

社内システムの開発でも、いきなり全機能を作り込むのではなく、まず一番使う頻度の高い作業だけを小さく形にして、実際に触ってもらうことを勧めています。触ってもらって初めて「ここは要らなかった」「ここはもっとこうしたい」という本音が出てくるからです。実際に画面をお見せした際、「あ、これだけでいいんですね」と拍子抜けしたような反応をされたことがあります。この一言をいただけたときは、機能を絞った判断が間違っていなかったと感じる瞬間です。

公開後も直せる、という前提を最初から共有しておく

ホームページ制作では、公開から3ヶ月間はデザインや文言の修正を何度でも受け付ける体制にしています。実際に作ってみるとイメージと違うことは起こり得るからです。社内システムも考え方は同じで、「最初の設計が完璧である必要はない、動かしながら直していく」という前提をお客様と共有しておくと、現場の不満が出たときも慌てずに対応できます。実際、あるお客様からは運用を始めてしばらくしてから「電話で確認する手間がなくなった」と言っていただいたことがあり、こうした派手ではない変化の積み重ねこそが、小さく作ることの効果だと感じています。

社内システム開発の費用はどのくらいかかる?

内容によって幅がありますが、私が相談を受ける中では「今Excelや紙で管理している作業を、まず1つだけシステム化する」規模から始めるケースが最も多いです。目安として、入力フォームと一覧表示程度のシンプルな管理システムであれば数十万円台から、複数の部門をまたいだり外部サービスとの連携が絡んだりする規模になると、百万円台以上になることも珍しくありません。フリーランスに依頼する場合は、制作会社に比べて中間コストがかからない分、同じ内容でも費用が抑えられる傾向にあります。

見積もりをお出しすると、「思っていたより最初の一歩がシンプルなんですね」と言われることがよくあります。これは私が意図的に、いきなり全部門を巻き込む見積もりを出さないようにしているからです。初期費用も期間も大きくなる一括発注は、途中で仕様変更が難しくなります。小さく始めて、使われることを確認しながら機能を足していく方が、結果的に無駄が少なくなります。

見積もりを取る際は、次の2点を確認してみてください。

  • 総額だけでなく「最初の一歩としてどこまでを含めた金額なのか」
  • 公開後に仕様を直したくなった場合、追加費用がどのタイミングから発生するのか

制作会社選びで、私が必ず伝えていること

相談を受けたとき、私は最初に「これは本当に必要ですか?」と一度立ち止まって聞くようにしています。要望を鵜呑みにして全部そのまま形にすることは簡単ですが、それでは冒頭でお話ししたような「使われないシステム」を増やすだけだからです。

もし他社で見積もりを取る機会があれば、次の一言を投げかけてみてください。「この機能、削ったらいくら安くなりますか」。この質問に対して、金額の根拠と一緒に答えが返ってくるかどうかで、その会社が要望を精査しているかどうかがわかります。

まずはここから始めてみてください

相談の前に、今社内で「これだけは毎日手作業でやっている」という作業を1つだけ書き出してみてください。それができたら、次は「その作業を誰が」「1日に何回くらい」「どのくらいの時間をかけて」やっているかをメモしてみてください。それだけで、最初に何を小さく形にすべきか、そしてどのくらいの規模の投資が見合うのかが見えてきます。大きな要件定義書を用意する必要はありません。

私は名古屋市中川区を拠点に、独立してからホームページ制作と社内システム開発を一人で行っています。作って納品して終わりではなく、公開後にどう育てていくかまで一緒に考えるスタイルで活動しています。気になることがあれば、気軽にご相談ください。

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