先日、中川区で店舗を営むお客様から、公開から2年ほど経つホームページについて相談を受けました。「毎月8,000円の保守費用を払っているが、正直何にお金を払っているのか分からない」というお話でした。契約書を見せていただくと、サーバー代とドメイン代の項目のあとに、残りの作業はすべて「その他一式」という一行でまとめられていました。
「この『一式』というのは、具体的には何をしてもらえるものなんですか」とお聞きすると、お客様自身も「たぶん、何かあったときに直してもらえる、くらいの認識でいました」と、はっきり答えられませんでした。契約時に説明を受けた記憶もあいまいで、2年間、中身が分からないまま払い続けていたそうです。金額の内訳どころか、何をしてもらえて何をしてもらえないのかすら、この契約書からは読み取れませんでした。
この記事では、このご相談でのやり取りも踏まえながら、保守運用費用の相場の目安と、契約前に確認しておくべきポイント、そして契約書のどんな一文に注意すべきかをまとめました。

「公開したら終わり」ではないとお伝えするようにしています
ご相談の中で「ホームページって、一度作ったらもうやることはないですよね」と聞かれることがあります。私はそのたびに、「公開した瞬間がスタートで、そこから先の方が長いんですよ」とお伝えするようにしています。
サーバーの不具合、システムの脆弱性、情報の古さといったものは、放置していても見た目にはすぐ変化が分からないぶん、気づいたときには来訪者の信用を落としてしまっていることが少なくありません。保守運用とは、こうした目に見えにくい部分を代わりに確認し続ける作業のことです。中川区でお会いするお客様は、会社紹介や店舗紹介を目的としたサイトのご相談が多い印象がありますが、更新頻度が低いサイトほど「特に何も変わっていないから大丈夫」と思われがちで、実際には裏側で気づかないうちに不具合が起きていることもあります。

ホームページ保守運用費用の相場
これまでにいただいたご相談の内容を踏まえて、一般的な相場帯を表にまとめました。金額はあくまで目安であり、サイトの規模や作業範囲によって前後します。
| プランの目安 | 含まれる内容 | 月額の目安 |
|---|---|---|
| 簡易保守 | サーバー・ドメイン管理、稼働監視のみ | 3,000〜8,000円 |
| 標準保守 | 簡易保守の内容+軽微な文言・画像の修正対応 | 8,000〜20,000円 |
| 本格保守 | 標準保守の内容+SEO(検索エンジン最適化。検索結果で上位に表示されやすくするための対策)記事の更新・分析 | 20,000〜50,000円 |
| 都度対応 | 契約なし、必要な作業のみ発生都度で見積もり | 作業内容による |
冒頭でご紹介したお客様のサイトは、更新頻度が年に数回程度の店舗紹介サイトでした。実際に発生している作業内容を一緒に洗い出してみると、簡易保守の範囲に近いものが多く、標準保守に近い金額を払い続けていたことが分かりました。金額そのものが高いか安いかよりも、「今払っている金額が、どのプランの作業内容に相当するのか」を照らし合わせてみることが、まず最初の一歩になります。
月額固定と都度対応、どちらがいいですか?
私はケースによりますが、公開直後は都度対応を勧めることが多いです。理由は単純で、公開してすぐは修正の頻度が読みにくいからです。ただ、この判断で困った経験もあります。
以前、公開したばかりのサイトのお客様に都度対応を勧めたところ、思った以上に細かい修正依頼が続きました。写真を1枚差し替えたい、営業時間の表記を直したい、といった小さな依頼のたびに、私は都度見積もりを出していたのですが、お客様からすると「こんな小さな修正でも、その都度見積もりを待たないといけないのか」という負担感につながっていたようです。あるとき「これくらいの内容なら、まとめて月額でお願いした方が気が楽です」と言われて、私自身、都度対応を勧めたことがかえってお客様の手間を増やしていたと気づかされました。
この経験から、今は公開から一定期間はデザインや文言の修正を無償で対応する形にし、その期間で実際にどれくらいの頻度で手を入れる必要があるサイトかを一緒に確認したうえで、月額固定にするか都度対応にするかを決めるようにしています。どちらが向いているかは、金額の大小だけでなく、修正のたびに見積もりのやり取りが発生することをお客様がどう感じるか、という点も含めて判断すべきだと感じています。

契約書の「その他一式」という一文が危ない理由
冒頭でご紹介した契約書には、「その他保守作業一式」という表現が使われていました。この一文の何が問題かというと、「一式」という言葉が、発注する側と受注する側の双方に都合よく解釈できてしまう点です。お客様は「困ったときは何でも対応してもらえる」と思い、制作会社側は「サーバー監視と簡単な文言修正まで」のつもりでいる、というすれ違いが起こりやすくなります。
実際、そのお客様と契約書を一文ずつ読み合わせていったところ、次のような項目がどこにも書かれていないことが分かりました。契約書を見直す際は、こうした項目が「一式」でまとめられずに、一つずつ書き出されているかを確認してみてください。
- 1. 月額費用にサーバー代・ドメイン代・作業費のどこまでが含まれているか
- 2. 修正対応に回数や作業時間の上限があるか、上限を超えた場合の追加料金はいくらか
- 3. サイトが表示されなくなった場合、対応までにどれくらいの時間がかかるか
- 4. SEO対策としての記事更新や分析が保守に含まれるか、別料金か
- 5. 契約を解除する際、サイトのデータやドメインの管理権限をこちらに引き渡してもらえるか
- 6. 担当者が固定されているか、問い合わせのたびに違う人が対応するか
- 7. 最低契約期間や解約金の有無
特に5番目について、「もし今日この場で解約したら、サイトのデータは戻ってきますか」とお聞きすると、お客様は「そんなこと、考えたこともなかったです」とおっしゃっていました。契約終了時にデータを引き渡してもらえず、事実上サイトを人質に取られたような状態になっている、という相談を受けたこともあります。契約時には気づきにくい項目だからこそ、書面のどこに書かれているかを必ず確認しておいてください。もし書かれていなければ、その場で質問して書面に追記してもらうべき項目です。
ここまで読んで「自分の場合はどうなんだろう」と思われた方は、こちらから気軽にご相談ください。無理な営業は一切しません。
保守運用契約が必要なケース・不要なケース
すべてのホームページに月額の保守契約が必要というわけではありません。私は次のように判断しています。
- 必要なケース:ECサイトで在庫や価格の変動がある/SEO対策として継続的に記事を追加していきたい/更新頻度が月に数回以上ある
- 都度対応で十分なケース:名刺代わりの会社紹介サイトで更新頻度が年に数回程度/公開直後でまだ修正の頻度が読めない
会社紹介や店舗紹介を目的としたサイトのご相談をいただくことが多いぶん、月額の保守契約よりも都度対応で十分なケースに当てはまることも少なくありません。契約プランを決める前に、まず自分のサイトが上記のどちらに近いかを確認してみてください。
お客様にとって不要な契約は、たとえ売上になるとしても私からは勧めません。特に本格保守プランは、SEOの記事更新まで含まれる分費用も上がりますが、記事を書く体制がお客様側に無いまま契約しても意味がありません。SEO対策は、細かい施策をあれこれ考えるより、まず記事を入稿し続けることが一番効きます。その体制を作れるかどうかを先に確認してから、プランを決めるべきです。
催事直前に発覚した認識のズレ
以前、保守契約の範囲を口頭のやり取りだけで進めてしまい、後になって認識のズレが生まれたことがあります。お客様は「修正対応」に文言だけでなく画像の差し替えも含まれると思っていて、私は文言修正のみのつもりでいました。厄介だったのは、そのお客様がちょうど月末の催事に合わせて新商品ページを急いで差し替えたいタイミングで、この認識のズレが発覚したことです。「今すぐ直してほしいが、追加料金の話は聞いていない」という状況になり、その場で結論を出さざるを得ませんでした。
電話口で「今から追加料金の交渉をしている時間はないですよね」とお客様に確認したうえで、結局は追加料金なしで対応することにしました。ただ、正直なところ、あのとき手が空いていたから対応できただけで、別の案件が重なっていたら間に合わなかった可能性は十分にあります。もし対応できる体制が整っていなければ、納期に間に合わず、お客様の催事そのものに影響が出ていたかもしれません。
この経験から、保守契約は必ず「何が含まれて何が含まれないか」を箇条書きで書面に残すようにしています。口頭の説明は分かりやすい反面、後から見返せないという弱点があります。さらに、急ぎの依頼が入ったときほど、料金や対応範囲の認識ズレは表面化しやすいものです。契約前に、範囲を文字にして渡してくれる相手かどうか、そして急ぎの対応が発生した場合の料金の考え方まで説明してくれる相手かどうかを、確認しておく価値があります。
結局、どこに保守運用を頼めばいいのか
判断軸は大きく2つあります。1つは、保守内容が箇条書きレベルで具体的に説明されるかどうかです。「その他一式」のような曖昧な項目でまとめられている場合は、一度立ち止まって内訳を聞き直すべきです。もう1つは、公開後の関係が「作って終わり」で切れる相手か、それとも育てていく前提で伴走してくれる相手かです。ホームページは公開してすぐ問い合わせが増えるものではなく、名刺のように信用を積み重ねながら育てていくものなので、公開後の関わり方を契約前に確認しておくことは、費用の安さと同じくらい重要です。
まとめ
ホームページの保守運用費用は、プランによって月額3,000円から50,000円程度まで幅があります。金額の高い安いだけで判断せず、契約書に書かれた項目が「一式」でまとめられていないか、先ほどの7つのチェックポイントを一つずつ確認しながら、自分のサイトの更新頻度に見合った契約かどうかを見極めることが大切です。まずは今契約している(あるいは検討している)保守プランの内訳を、7項目に沿って書き出してみてください。それだけで、何が過剰で何が不足しているかが見えてくるはずです。
私は公開から一定期間、デザインや文言の修正を無償で対応する体制にしています。保守運用のご相談をいただく際も、まずは今のサイトの契約書をお持ちいただき、一緒に一文ずつ読み合わせるところから始めています。契約書の中に気になる一文があれば、そのままの状態で構いませんので、気軽に相談してください。
よくある質問
ホームページの保守運用は必ず契約しないといけませんか?
必須ではありません。更新頻度が年に数回程度の会社紹介サイトなら、都度対応でも十分なケースが多いです。ECサイトやSEOで継続更新する場合は契約を検討する価値があります。
保守運用費用の相場はどれくらいですか?
内容によって月額3,000円から50,000円程度まで幅があります。サーバー管理のみか、修正対応やSEO更新まで含むかで金額が変わるため、内訳の確認が重要です。
保守契約を途中で解約することはできますか?
契約内容次第です。最低契約期間や解約金の有無は契約前に必ず確認し、解約時にサイトデータやドメインの管理権限を引き渡してもらえるかも合わせて確認しておくと安心です。
公開後すぐに保守契約を結んだ方がいいですか?
公開直後は修正の頻度が読みにくいため、まず無償対応期間などで様子を見てから契約内容を決める方法もあります。私は公開後3ヶ月は無償で修正対応をしています。
SEO対策は保守運用に含まれますか?
プランによります。記事更新や分析まで含む「本格保守」タイプもありますが、記事を書く体制が整っていないまま契約しても効果が出にくいため、体制の有無を先に確認することをお勧めします。
名古屋市中川区でホームページ・システムのご相談はお気軽に
「何から相談すればいいか分からない」という段階でも大丈夫です。
現状をお聞きして、必要なものと不要なものを一緒に整理するところから始めます。

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