ホームページ公開後の放置リスク|9項目でわかる自己診断チェック

ホームページ公開後の放置リスク|9項目でわかる自己診断チェック

先日、半年前に別の会社で公開したサイトを見てほしいという相談を受けました。話を聞くと「公開してから一度も触っていない」とのことで、実際に確認してみるとお問い合わせフォームの送信確認ができておらず、数件のメールが届かないまま埋もれていました。担当者の方は「フォームがあるから安心していた」と話していましたが、フォームは作った時点で機能を保証してくれるものではなく、動いているかを誰かが見続けて初めて機能になります。公開して終わりではなく、公開してからが本番だということを、こうした相談を受けるたびに実感します。

A miniature under construction sign placed on a laptop keyboard symbolizing digital development.
Photo by Fernando Arcos on Pexels
目次

ホームページを放置すると実際に何が起きるのか

「放置」とひとことで言っても、起きることは技術面・集客面・信用面の3つに分けて考えると分かりやすいです。どれも派手な事件ではなく、じわじわと効いてくるタイプの問題です。

技術面のリスク

CMS(ホームページの内容を管理する仕組み。WordPressなどが代表的です)やプラグインを更新しないまま放置すると、既知の脆弱性を突かれて改ざんされる可能性が上がります。SSL証明書(通信を暗号化する仕組み。切れるとブラウザに警告が出ます)の期限切れも、地味ですが信用を一気に落とす原因になります。この点については後ほど、私自身がお客様との連絡を途切れさせてしまった案件を交えて詳しくお話しします。

集客面のリスク

検索エンジンは「更新され続けているサイト」を評価する傾向があります。半年、1年と情報が動かないサイトは、少しずつ検索結果の順位を下げていきます。SEO(検索エンジンからの評価を上げるための対策)の相談を受けたとき、私は施策の細かさより先に「更新が止まっているかどうか」を確認します。細かいキーワード調整より、まず動いているサイトかどうかの方が影響が大きいと、複数の案件を見てきて判断しているためです。

信用面のリスク

料金表や営業時間、スタッフの紹介などが実態と食い違ったまま公開され続けると、来店・応募の直前で「あれ、これ古い情報かも」と疑われて離脱されます。ホームページは名刺と同じで、渡した瞬間ではなく、渡した後の見られ方まで含めて信用の道具です。

Businesswoman working on laptop with Android 6.0 Marshmallow webpage open.
Photo by Christina Morillo on Pexels

放置リスクの自己診断チェック

ご自身のサイトについて、次の項目に3つ以上当てはまる場合は、一度見直しのタイミングと考えてください。

  • 公開してから半年以上、内容を一度も更新していない
  • スマホでサイトを開いたのが、公開直後以来ない
  • お問い合わせフォームに、自分で一度もテスト送信していない
  • 営業時間・料金・スタッフ情報のどこかが、現状と違っている
  • ブラウザで開いたとき「保護されていません」と表示される
  • WordPressやプラグインの「更新があります」通知を見た記憶がない
  • Googleビジネスプロフィール(地図や検索結果に表示されるお店の情報)の情報が古いまま
  • サイトを作った制作会社・エンジニアと、公開後に一度も連絡していない
  • アクセス解析(Googleアナリティクスなど)を見たことがない、または導入自体していない
Close-up of a computer screen displaying an authentication failed message.
Photo by Markus Spiske on Pexels

SSL証明書の失効で気づいた、自分の連絡体制の甘さ

以前、公開後しばらくして連絡が途切れたお客様がいました。半年ほど経って再び連絡が来たとき、SSL証明書の更新期限をお伝えできておらず、サイトを開くと警告が表示される状態になっていました。幸い大事には至りませんでしたが、私自身、そのお客様のサイトの証明書の期限をカレンダーに入れておらず、契約書にも更新の案内タイミングを明記していなかったことが原因でした。

連絡が来なかったこと自体は珍しくありません。多くのお客様は、公開後は自分から進んで連絡をくれるわけではなく、問題が起きたときに初めて連絡してきます。それを分かっていたはずなのに、私は「何か困ったら連絡が来るだろう」と受け身になっていました。この一件で、待つ姿勢ではこちらの見落としがそのままお客様の被害になると痛感し、公開後は私の方から定期的に状況を確認する連絡を入れる体制に変えました。あわせて、公開直後の3ヶ月間はデザインや文言の細かな修正を無償で受け付けています。作った側が満足して手を止めた瞬間に、放置は始まってしまうからです。

更新作業を後回しにしてしまった経験から仕組みを変えた話

私自身、記事の入稿やレポートのチェックを毎日手作業でやっていた時期があります。繁忙期に入ると、この作業がどうしても後回しになり、更新が数週間空いてしまうことがありました。「今日は無理でも明日やればいい」と考えているうちに、気づけば1ヶ月近く更新が止まっていたこともあります。自分自身が「更新が止まっているサイトは評価が下がりやすい」とお客様に説明している立場でありながら、自分のサイトでそれをやってしまっていたことに気づき、これは根性で解決できる問題ではないと判断しました。

そこで、記事の下書きを一定のタイミングで自動的に投稿する仕組みを作り、人が判断すべき部分(内容の確認や修正)だけに時間を使えるようにしました。手を止める判断ができないなら、そもそも手を止めなくても動く仕組みにしてしまう方が確実だと判断したためです。これはお客様に売るために作ったものではなく、まず自分の運用を止めないために作ったものでした。放置は意志の強さの問題ではなく、意志に頼らなくても続く形になっているかどうかの問題だと、この経験から学びました。

ここまで読んで「自分の場合はどうなんだろう」と思われた方は、こちらから気軽にご相談ください。無理な営業は一切しません。

保守費用は、金額より先に「止まったときの損失」を計算する

保守にどこまで費用をかけるべきか、というご質問をよくいただきます。金額の大小から考え始める前に、まずご自身のサイトで次の3つの数字を埋めてみてください。

  • このサイト経由で、1週間に何件の問い合わせ・予約・資料請求が届いていますか
  • そのうち1件が成約した場合、平均するとどれくらいの金額につながりますか
  • もしフォームが1週間止まっていたとしたら、上の2つを掛け合わせるといくらの機会損失になりますか

この3つ目の数字が、保守にかけるべき金額のひとつの上限の目安になります。逆に、この数字が小さい、あるいは問い合わせ経由の売上がほとんどないサイトであれば、手厚い保守にお金をかける優先順位は下がります。

一般的には、表示確認程度の軽い保守、証明書やCMSの更新管理を含む保守、記事更新まで含む保守と、対応範囲が広がるほど月額の費用も上がっていきます。金額の比較だけで決めるのではなく、上記の試算を先に済ませてから範囲を選んでください。それだけで、契約後に「これは自社には不要だった」と感じる可能性を減らせます。

保守の範囲は、サイトの役割で決める

手厚い保守がすべてのサイトに必要かというと、そうとも言い切れません。ご自身のサイトについて、次の点を確認してください。

  • このサイトの主な役割は、名刺代わりの会社紹介か、それとも問い合わせ・応募を増やすための集客ツールか
  • ECサイトや会員登録機能があるか(ある場合は技術面の保守はほぼ必須です)
  • 料金・営業時間・スタッフ情報など、内容が変わる頻度はどれくらいか

これらの答えによって、必要な保守の範囲は変わります。名刺代わりで、問い合わせ経路がメールや電話のみのサイトなら軽い保守で十分です。一方、問い合わせや応募を増やしたいサイトには、記事更新を含む運用が向いています。売上になるからといって、不要な保守はお勧めしていません。まず何のためのホームページなのかを聞き、そこから必要な範囲を絞っています。

公開後の見直しは、いつ、何を見るか

見直しの頻度について、細かい表を作って覚える必要はありません。私自身は、次の3つを分けて実行しています。

まず、料金や営業時間のような「事実情報」は、変わった時点ですぐに直します。後回しにする理由がない作業なので、気づいた瞬間に直すと決めています。

次に、フォームの送信確認や表示崩れのチェックのような「動作の確認」は、毎月1日に必ず行うと決めて、カレンダーに繰り返し予定を入れています。人の記憶に頼ると必ず抜けるため、予定として固定してしまう方が確実です。

そして、証明書の期限やCMSの更新、写真や文言の古さといった「棚卸し」は、四半期に一度、まとめて振り返る日を作っています。この日だけは他の作業を入れず、サイト全体を見る時間として確保しています。

3つに分けて、それぞれ「気づいたらすぐ」「毎月同じ日」「四半期に一度」とタイミングを固定してしまえば、毎日サイトのことを気にし続ける必要はなくなります。まずはこの3つのどれか1つだけでも、今週中にカレンダーへ入れてください。

制作会社・エンジニアを選ぶときに確認したいこと

放置リスクを踏まえて発注先を選ぶなら、契約前に次の2点を必ず質問してください。

  • 公開後の修正対応は無償か有償か、対応できる期間は何ヶ月と明記されているか
  • SSL証明書やCMSの更新管理は、契約のどの範囲に含まれているか

見積書や提案書にこの2点の記載がなければ、その場で担当者に聞いてください。答えがあいまいなまま契約すると、私がSSL証明書の件で経験したような見落としが、発注者側にとってはより大きな被害として降りかかります。

個人に依頼すると公開後に連絡が途切れるのではという不安を持たれることもありますが、規模の大小より、この2点が契約書や見積書に明記されているかどうかで、公開後の関係性は見えてきます。私は公開から3ヶ月間、デザインと文言の修正を回数の制限なく受けています。作った後の関係こそが本当の価値だと考え、実際にそう運用しています。

まとめ

ホームページの放置は、ある日突然壊れるものではありません。じわじわと信用と検索順位を削っていくものです。まずは今日、自分のサイトをスマホで開いて、お問い合わせフォームに一度テスト送信してみてください。それだけで、放置による小さなトラブルの多くは見つかります。

9項目のうち3つ以上心当たりがあれば、まず自分でフォームのテスト送信と保守費用の試算だけでも済ませてください。そのうえで判断に迷うようであれば、状況を整理する相談から始めてみてください。

よくある質問

ホームページを何ヶ月放置すると危険ですか?

明確な基準はありませんが、半年以上情報が更新されていないと、料金や営業時間の記載が実態とずれ、問い合わせ前に離脱される例をよく見ます。

放置していたサイトの保守だけ依頼できますか?

はい、可能です。制作を担当した会社以外でも、SSL証明書の更新確認やプラグインの脆弱性チェックだけ単発でお受けすることもあります。

個人のエンジニアに依頼すると、放置されたときの対応が心配です。

公開後3ヶ月はデザイン・文言の修正を何度でも無償で対応しています。伴走することを前提にしているので、公開後に関係が切れる心配は小さいと考えています。

放置によるセキュリティリスクとは具体的に何ですか?

CMSやプラグインの更新を止めると、既知の脆弱性を突かれて改ざんされるリスクが上がります。SSL証明書の失効もブラウザに警告が出て信用を落とす原因になります。

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