先日、中川区で店舗を経営されている方から「今のホームページを管理している会社と連絡が取れなくなった」というご相談をいただきました。数年前に知人の紹介で作ってもらったサイトだったそうですが、管理画面のIDもパスワードも、契約しているレンタルサーバーの情報も、すべて相手任せにしていたため、いざ更新しようにも入り口すら分からない状態でした。
正直に言うと、この手のご相談を受けるたびに、私は少し身構えます。うまくいけば数十分で解決しますが、こじれると数週間かかることもあり、しかも最初の電話やメールだけでは、どちらになるか判断がつかないからです。今回もそうでした。お客様に「サーバーの契約は誰の名前になっているか分かりますか」とお聞きしたところ、「そこまでは分からない」というお返事で、内心「これは時間がかかるパターンかもしれない」と思いながら、まずは契約書やメールの履歴を一緒に探すところから始めました。
中川区は、昔ながらの個人商店や、家族で営む卸売業・小規模な製造業の事業所も多いエリアです。長年付き合いのある業者さんや、知人の紹介でホームページを作ったという経緯のご相談を、この地域で受けることが度々あります。付き合いが近い分、契約書を交わさずに「とりあえずお願いします」という形で始まっていることも珍しくなく、管理情報の共有があいまいなまま数年が経ってしまっているケースによく出会います。これは中川区に限った話ではありませんが、地域の商売の距離感が近いぶん、こうした「なあなあ」の始まり方が起きやすい土壌はあるように感じています。
この記事では、実際にあった「連絡が取れなくなった」ケースを中心に、私がそこで何を確認し、何に迷い、最終的にどう考えるようになったかをお伝えします。他にも改ざんや費用相場の話が出てきますが、そちらは簡潔にまとめ、一番お伝えしたい「名義」の話に紙面を割いています。

「連絡が取れなくなりました」の正体は、だいたい名義の問題です
WordPress保守と聞くと、多くの方はハッキングや改ざんといったセキュリティ面を心配されます。もちろんそれも大事ですが、私が実際に相談を受けた中で一番厄介だったのは、冒頭でお話しした「管理者と連絡が取れなくなる」というケースでした。
これは制作会社が個人か法人かに関係なく起こります。担当者の退職、部署異動、廃業、単純な音信不通まで理由は様々ですが、共通しているのは「サイトの持ち主であるはずのお客様が、自分のサイトの管理情報を何も持っていない」という状態です。家の鍵を全部大家さんに預けたまま、大家さんと連絡が取れなくなったようなものだと思っていただくと分かりやすいかもしれません。
私はこの手のご相談を受けたとき、まずレンタルサーバーの契約者情報とドメインの登録者情報を確認するところから始めます。ここがお客様自身の名義になっていれば、パスワード再発行を経て入り直せることが多いです。今回のケースも、時間はかかりましたが最終的にはお客様名義の契約であることが分かり、サーバー会社への本人確認と再発行の手続きを経て、無事に管理画面に入り直すことができました。
ただ、正直に言うと、これは運が良かった部類だと思っています。もしサーバーやドメインが制作会社名義のままだったら、話はもっと厄介でした。契約者本人ではない第三者からの申請になるため、サーバー会社側の本人確認が通らず、下手をすると「今の契約を一度解約して、新しくお客様名義で契約を取り直し、そこにデータを移す」という、事実上の作り直しに近い対応になることもあります。過去に一度、まさにこのパターンに当たったことがあり、お客様には正直なところ「なぜここまで時間がかかるのか」と何度か聞かれ、こちらとしても歯切れの悪い説明しかできなかった記憶があります。あのときの気まずさは、今でもはっきり覚えています。
だからこそ私は、新規で保守契約をお預かりする際は、サーバー・ドメインの契約者名義をお客様ご自身にしていただくことをお願いしています。とはいえ、これをお願いするのが簡単かというと、実はそうでもありません。「面倒だから今のままでいい」「今の担当者を信頼しているから大丈夫」と言われることもあり、そのたびに、どこまで強く言うべきか私自身も迷います。無理に押し付けるものでもない気がしつつ、後々お客様が困る可能性を知っているからこそ、毎回言葉を選びながらお伝えしています。管理はこちらで代行しますが、名義まで預かってしまうと、私に何かあったときお客様が困ってしまうからです。伴走するというのは、いなくなっても困らない状態を作っておくこともセットだと考えています。
名義の次に見るのは「記録」です
名義の話とセットで確認するのが、「誰が何を管理しているか」の記録です。管理画面のURL、使っているプラグインの一覧、バックアップの保存場所、これらが担当者の頭の中にしかない状態は、正直かなり危ういです。以前、別の担当者から引き継いだ案件で、前任の方が退職してしまい、資料が何も残っていない状態でお客様の元に伺ったことがありました。管理画面には入れたものの、どのプラグインが何のために入っているのか、バックアップがどこに保存されているのか手掛かりが一切なく、一つひとつ動作を確認しながら手探りで把握するしかありませんでした。想定より時間がかかってしまい、お客様に「思ったより時間がかかるんですね」と言われてしまったことを今でも覚えています。
この経験があったからこそ、自分が保守を担当する案件では、必ず最初に管理画面のURL・プラグイン一覧・バックアップの保存場所を簡単なドキュメントにまとめ、お客様にも共有するようにしています。地味な作業ですが、いざという時に効くのはこういう地味な準備だったりします。

安い保守契約に潜む「どこまで直すか」の境界線
名義や記録とは別に、実際にご相談があったケースをもう一つだけ簡潔にお話しします。月額の保守契約を結んでいたにも関わらずサイトが改ざんされてしまった、というものでした。契約書を確認させていただくと、対応範囲は「WordPress本体の更新」のみで、プラグインやテーマの更新は含まれていませんでした。実際に改ざんの入り口になっていたのは、しばらく更新が止まっていた問い合わせフォーム用のプラグインです。
これは契約が悪いというより、対応範囲が契約時にきちんと説明されていなかったことが問題だったと思っています。月額の低い保守プランは、本体更新とバックアップだけというケースが多く、それ自体は決して悪いプランではありません。ただ、その範囲を理解しないまま「保守契約=何かあっても安心」と思い込んでしまうと、今回のようなすれ違いが起きます。

WordPress保守は具体的に何をするもの?
保守契約の話をすると「そもそも何をしてもらえるものなのか分からない」と言われることがよくあります。契約書に書かれている作業を一つずつ確認していくと、下の5項目のどこまでが含まれているかで、実質的な安心度がかなり変わってきます。
| 作業項目 | 内容 | 含まれないと起きやすい問題 |
|---|---|---|
| WordPress本体の更新 | 脆弱性を修正するバージョンアップ対応 | 既知の脆弱性を突かれた不正アクセス |
| プラグイン・テーマの更新 | 個別機能の不具合・脆弱性修正 | 放置プラグイン経由の改ざん |
| バックアップ | 定期的なデータ保存 | 改ざん・障害時に復旧できない |
| セキュリティ監視 | 不正アクセスやマルウェアの検知 | 改ざんに気づくのが数ヶ月後になる |
| 表示崩れの確認 | 更新後の見た目・動作チェック | 気づかないうちにフォームが動いていない |
この一覧のどこまでが契約に含まれているか、一度契約書を確認してみてください。「本体一式」のような曖昧な表記だけの場合は、担当者に直接聞いてみるのが早いです。聞きにくければ「この表の5項目のうち、どれとどれが含まれていますか」と、項目名を挙げて質問する形にすると答えてもらいやすいと思います。
ここまで読んで「自分の場合はどうなんだろう」と思われた方は、こちらから気軽にご相談ください。無理な営業は一切しません。
費用相場はいくら? 一般的な目安です
費用は対応範囲によって幅があります。安いプランほど対応範囲が本体更新のみに絞られ、高いプランほど監視や表示崩れの確認まで含まれる、という違いが価格差の理由です。あくまで一般的な相場感としてご参考にしてください。
| プラン帯 | 月額目安 | 主な内容 |
|---|---|---|
| ライト | 3,000〜5,000円程度 | 本体更新+簡易バックアップ |
| スタンダード | 5,000〜20,000円程度 | 本体+プラグイン更新+バックアップ+表示確認 |
| フル | 20,000〜100,000円程度 | 上記+セキュリティ監視+改修対応込み |
安さだけで選ぶと、先ほどのプラグイン放置のようなケースにつながりやすいです。逆に高いプランが常に正解というわけでもなく、更新頻度の少ない小規模サイトであればライトプランで十分なこともあります。ここは正直、サイトの規模とプラグインの数を見てみないと私自身も断言できない部分で、毎回お客様のサイトを実際に確認したうえで提案するようにしています。
制作会社・エンジニアを選ぶときに見るべき2つの軸
保守契約の善し悪しは価格表だけを見ても分かりません。私が判断軸としてお勧めしているのは次の2点です。
- サーバー・ドメインの契約者名義がお客様自身になっているか(なっていなければ、依頼時に変更してもらえるか)
- 保守の対応範囲が契約書に項目単位で明記されているか(「一式」表記だけの契約は要確認)
この2点さえ押さえておけば、担当者が変わっても、契約先を切り替えることになっても、大きく困ることはありません。「連絡が取れなくなったらどうしよう」という不安は、個人か法人かではなく、この2点が整理されているかどうかで決まると私は考えています。
まとめ:正直、ここは迷いながらお願いしています
今すぐできることとして、今契約している保守プランの契約書やメールのやり取りを見返して、「サーバー・ドメインの名義」「プラグイン更新」「対応範囲」がどこまで書かれているか確認してみてください。何も書かれていない、あるいは連絡先が今も生きているか不安な場合は、その時点で一度相談していただくのが安全です。
正直なところ、私自身、名義変更のお願いは毎回すんなり進むわけではありません。「面倒だ」と言われることもありますし、こちらとしても、どこまで踏み込んでお願いするべきか迷う場面があります。それでも、いざという時にお客様が困らない状態を作っておくことの方が大事だと思うので、多少気まずくても伝えるようにしています。ホームページは公開して終わりではなく、名刺と同じで育てていく信用の道具です。保守もその一部として、放置せず、かといって不要なプランを抱え込まず、ちょうどいい形で続けていくお手伝いができればと思っています。
よくある質問
Q. 今契約している保守会社と、もし連絡が取れなくなったらどうしたらいいですか?
A. まずレンタルサーバーとドメインの契約者情報を確認してください。ご自身の名義であればパスワード再発行から入り直せることが多いです。名義が分からない、あるいは制作会社名義になっている場合は、正直に言うと解決まで時間がかかることもあります。それでも進め方はありますので、状況を教えていただければ確認方法からご案内できます。
Q. 保守契約って、正直どれくらいの金額が相場なんですか?
A. 内容次第ですが、本体更新のみなら月額3,000円前後、バックアップや監視まで含めると月額1万円以上が一般的な目安です。ただ、これは本当にサイトの規模とプラグインの数によって変わるので、私自身も見てみないと断言できない部分があります。安さだけで選ぶと対応範囲が本体更新のみに絞られていることが多いので、契約前に範囲の確認をお勧めします。
Q. 今は保守契約を結んでいないんですが、このままで大丈夫でしょうか?
A. 更新を止めたままにすると、脆弱性を突かれて改ざんされるリスクが少しずつ上がっていきます。すぐに何か起こるとは限りませんが、時間が経つほど確率が上がると考えておく方が安全です。まずは今のプラグインが最新の状態になっているかと、サーバー・ドメインの契約者が誰の名義になっているか、この2つだけでも確認してみてください。
よくある質問
WordPress保守は自分でもできますか?
技術的には可能ですが、更新後に表示崩れが起きた際の原因切り分けには専門知識が必要です。本業の時間を削ってまで抱え込む必要はないと考えていて、任せられる部分は任せることをお勧めしています。
今契約している保守会社と連絡が取れなくなったらどうすればいいですか?
まずレンタルサーバーとドメインの契約者情報を確認してください。ご自身の名義であればパスワード再発行から入り直せることが多いです。名義が分からない場合でも状況を教えていただければ確認方法からご案内できます。
保守契約なしでWordPressを運用するとどうなりますか?
更新を止めたままにすると、脆弱性を突かれて改ざんされるリスクが少しずつ上がっていきます。すぐに何か起こるとは限りませんが、半年、1年と経つほど確率が上がると考えておく方が安全です。
保守費用はどれくらいが妥当ですか?
内容次第ですが、本体更新のみなら月額3,000円前後、バックアップや監視まで含めると月額1万円以上が目安です。安さだけで選ぶと対応範囲が本体更新のみに絞られていることが多いので、契約前に範囲の確認をお勧めします。
引き継ぎだけ依頼することはできますか?
可能です。現状のサイトを確認した上で、ログイン情報の整理やサーバー契約の名義確認など、引き継ぎに必要な範囲だけを対応することもできます。
名古屋市中川区でホームページ・システムのご相談はお気軽に
「何から相談すればいいか分からない」という段階でも大丈夫です。
現状をお聞きして、必要なものと不要なものを一緒に整理するところから始めます。

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